ようこそ!ここは、新潟大学河川工学研究室のウエブサイトです。この研究室は2009年4月に開設され、現在は、教員2名、博士課程学生4名、修士課程学生5名、学部生3名、事務補佐員1名で運営しています。
人類初の「水害の克服」を目指し、河川の水理、地形、そして環境について数理学的なアプローチを用いた基礎的な研究と、それを社会実装するための応用研究を行っています。
News 2024
我が国の研究力の凋落が著しいと言われ、久しいです。一般に国ごとの研究力はその国から発表された論文数が指標に用いられることが多いです。しかし、論文数を指標とした考えたかは、GDPと同様に、人口が多い国ほど有利な結果となります。そこで、各国の人口が我が国と同じだった場合の論文数を整理してみました。図中の青色がG7先進国、緑が欧州の小国、黄色がアジアと中東、灰色がBRICSの国技にを示しています。まず、この図から、青色のG7の各国は年々順位を落とし、その代わりに、緑色の欧州の小国が順位を向上し、最近では黄色のアジア諸国の活躍が目立ちます。この中で、我が国の世界ランキングは下落の一途を辿り、多くの他国は我が国よりも2倍から3倍ほども論文を生産できていることがわかりました。オーストラリアは実に日本の15倍もの論文を生産しているほか、スイスやオランダなどの我が国と比べると人口が1割程度の国の躍進も著しく、優に5倍以上の論文の生産力があることも分かりました。がんばろう日本。
異分野融合研究の開始をきっかけとして始まりました土木科学シンポジウムですが、第7回となる会を本年も朱鷺メッセ国際会議場にて130名余りの産官学の方々とともに開催しました。本年のテーマは「100年後のかわとひとを考える」としました。2件の招待講演、3つの大学の研究室の学生たちが研究成果を発表するポスターセッション、会の最後には「100年後のかわとひとの理想」についてのパネルディスカッションを行いました。ご参加の皆さま、有り難うございました。
筑波大学の武若聡教授と白川直樹准教授、信濃川河川事務所の福島雅紀所長をはじめとする皆さまと信濃川の特性が色恋箇所を巡る勉強会に参加しました。様々な観点での意見交換の機会となり、非常に貴重な経験をさせていただきました。皆さま有り難うございました。
博士2年生の大原君の論文登載をお祝いする会を開きました。研究室メンバと普段とは違った雰囲気で話をすることができ、また、各人から意欲あふれる話が漏れ聞こえ、すごく雰囲気の良い会でした。大原君に続く成果をあげた学生を祝う次の会が楽しみです。これからも「行動して結果を出す研究室」であり続けたいと思った夜でした。
2023年の夏は記録的に暑く、降雨が少ない夏だったと報道されていました。2024年の夏は、連日報道に取り上げられるほどの特徴的な夏ではなかったと思います。このことを客観的に捉えるため、2024年の7月と8月の最高気温と最低気温を過去のものと比べてみました。その結果、まず、最高気温については、新潟測候所の過去140年ほどの記録のちょうど中央値付近に位置することがわかり、また、最低気温については、2023年ほど高温ではないものの、過去140年ほどの記録の上位に位置することがわかりました。過去140年間の記録は、ある日の最高気温は、その年によりだいぶ異なる傾向を示し、ある日の最低気温は、過去から現在になるにつれて上昇の傾向を示しています。2023年と2024年の夏の最高気温と最低気温はこの傾向に合致するものと言えそうです。
かわいらしいお土産を頂きました。もらってばかりな気がしています。いつも有り難うございます。
9月に開催された土木学会全国大会における修士1年の大川原大智君が研究発表が優秀と認めれ、土木学会優秀発表者賞を受賞しました‼️おめでとうございます。
流体力学のトップジャーナルであるPhysics of Fluidsにおいて、Physics-informed neural networks for inversion of river flow and geometry with shallow water modelという論文が受理となりました‼️この論文は、博士課程2年の大原由暉君が主導したもので、PINNsを手法とし、わずかな実測情報のみを教師データとして未知の物理量の優れた推定ができることを初めて示したものです。同日には、深層学習の父と言われるヒントン名誉教授らが本年のノーベル物理学賞を受賞したとの発表があり、奇しき縁を感じます。
早出川では2016年より、早出川における自然に発生した形状を参考に設計した河道の制御工法が導入されており、設置から8年以上が経過していますが、設置後に特別な維持管理を実施することなく現在においても設計当初の効果が持続しています。優れた河道形状の制御の効果が認められ、現在までに、利根川本川の他、新潟県が管理する4つの河川に実装されています。
ARCEプロジェクトの一翼を担う村松正吾教授が主宰する研究室が創設から25年を迎え、記念行事にお招き頂きました。やっぱりいい研究をやっている研究室には、意欲と能力を兼備した学生が代々続くことを改めて目の当たりにしました。これまで以上に相補関係となるように努めたいと考えていますので、今後もよろしくお願いします。
経済調査レビューという専門誌に「我が国の土木工学の研究力とその回復の方策」という記事を掲載して頂きました。この記事の執筆にあたり、世界各国の土木工学分野の論文数をWeb of Scienceを用いて集計し、さらに各国の2023年の人口を同年の日本の人口で規格化した数値を求めました。その結果、各国の論文数は、各国の博士号の取得者数と完全に対応することがわかりました。つまり、日本の土木工学の研究力の低調の原因の一つは、日本人の博士号の取得者を十分に確保できていないこと結論づけることができそうです。この状況を放置すると、国産技術の絶滅や、大学などの教育機関の運営自体が困難となることが容易に想像できます。この対策の一つとしては、私塾のようなかたちでの人材育成でしょう。
東北大学において開催となった土木学会全国大会において8件の成果発表をしました‼️
新潟県と山形県の県境近くに山熊田というマタギ文化を特徴とする集落があり、昨年9月に続き、再訪する機会を得ました。地元の方々との交流させていただいた他、集落の中心を流れる河川での川遊びもしました。この際に、わずか20cmから30cmほどの水深の川の中の流れを覗きましたが、あまりにも複雑な流れに驚かされました。人はまだ真実を知らない、ということを実感し、山熊田を後にしました。
実河川の実測法の研究は、測定原理の制約が多い上、いつ一定規模以上の洪水が発生するかが分からず、非常に研究対象とすることが難しいです。このため、従来から、河川の研究においては模型実験が併用されてきました。この度、模型実験の測定にレーダを導入する研究を開始することとなり、実河川と模型実験とで同一の測定原理での測定が可能となる見通しが立ち、研究の加速をできそうです。
本日は、実河川の実測に適用されたことがない新しい3つの測定法の試験測定を実施しました。どれも実用の可能性は高そうで、順次、研究論文として発表していきたいと考えています。
本研究室では2020年よりX帯の電磁波を用いた河川の観測を実施していますが、筑波大学の武若聡教授の研究グループはこれよりも10年以上も先行して海浜や河口の変形を電磁波を用いた観測を続けています。この度、河川と海岸の一体的な観測とそれに基づく土砂動態の把握についての意見交換を行いました。
近自然工法の開祖であるクリスチャン・ゲルディさんとその継承者のピティさんらから大胆に河川にも付け替えをした現地を案内してもらいました。山間部に位置する集落さえ生き生きとしていて、国土の隅々まで整備と管理が行き届き、昨今の日本のように衰退に怯える様子が微塵もないことに驚きました。
マンチェスター近郊のワイヤ川における流域規模での自然再生の現地を見学する機会を得ました。今世紀末の気候変動と社会変容への対応のために公共事業として自然再生をしているという説明を伺いました。
6月から始まった行政機関の若手技術者を育成する「かわ塾」の第2回を開催しました。若手の参加者の意欲は驚くほど高く、この取り組みにより少しでも成果を残せるように努めたいと思います。
信濃川の堤防を対象として2021年から始めた宇宙線による堤防の観測ですが、このたび、新たな手法により観測を開始することになりました。この実施にあたり、ご協力をいただいた関係のの皆様、有り難うございました。
このたび、博士課程1年の関翔平君が業績優秀者と評価され、JASSOの第一種奨学金が全額返還免除となりました。おめでとうございます‼️
前々からやろうと思っていた、我が国の工学系同士(土木、機械、電気電子、応用化学)でのこの40年ほどの研究力の推移の比較図をやっと作りました。どの分野も2005年を境とし、世界ランキングを低下させており、このことは、よく言われる大学の独立法人化と連動している考えるのが自然だと思います。土木と電気電子を比較すると、もともと土木よりも高順位だった電気電子の下落の開始は土木よりも遅い時期からですし、その下落の規模も小さいがことがわかります。これらの分野ごとの研究力の推移を通し、不測の事態に備え、層の厚さを確保することが重要と言えそうです。
信濃川は、流路延長と流域面積の両方が国内最大級の河川です。このため、誰に目に見ても「洪水」と認識するほどの増水は1年に数度しかありません。今回の増水は、大きな危険が発生するものではありませんでしたが、2019年台風19号による洪水以後3番目の大きさで、また、1960年以降の観測値全体から見た発生頻度はわずか5%ほどの洪水です。そこで、この洪水中に信濃川の約10kmほどの区間を電磁波を用いて実測しました。また、今回の洪水の実測では、電磁波による第二の目と第三の目の準備も進めました。今まで見えなかった・知らなかった洪水中の河川の振る舞いの解明がジワジワ進んでいます。
ARCEプロジェクトでは、かねてからデータ駆動型の洪水予測の開発をしきました。その研究構想を村松教授を中心にまとめ、この度、科研費・挑戦的研究(開拓)の採択となりました‼️ ARCEプロジェクトとして採択となった挑戦的研究(開拓)はこれで二つ目となります。この科研費の種目の名称の通り、今後も「開拓」を意識した研究を続けたいと思います。
科研費・挑戦的研究(開拓)とは、新たな学問の開拓を期待する種目であり、その採択率が10%前後という難関種目です。
このたび、河川の実務に関わる方々と、今後の河川技術についての率直な意見交換をする場として、「かわじゅく」を発足させ、その第1回を開催しました。この会は、各自の意思で集うことを前提とするものですが、予想を超える数の方々に参集いただきました。有り難うございました。
2022年8月に荒川流域は記録的な洪水に見舞われ、その後、復旧などが進められてきました。この度、羽越河川国道事務所の皆様に機会を作って頂き、現地見学と、荒川の今後についての意見交換の機会をいただきました。事務所の皆様、どうも有り難うございました。
日本地球惑星科学連合2024年大会(JpGU)での招待講演の機会をいただき、「観測ビッグデータに基づく交互砂州の発生機構の特定」というタイトルでお話をさせていただきました。コンビナーの皆様、どうも有り難うございました。
博士課程1年の仮澤広晃君が博士学生の育成を支援をする「新次世代育成プロジェクト」に採択となりました‼️おめでとうございます。引き続きの成長を楽しみにしています。
2020年春から始めた電磁波を用いた河川の観測を今年も継続の予定で、6月からの降雨期の始まりに備え、観測機材の準備をしました。ほどほどの増水が何度か到来することを祈っています。
学術変革領域の領域会議が名古屋大学であり、今後の研究方針について、意見交換をしました。この会議は、毎回、勉強になることばかりです。名古屋大学の皆様、どうもお世話になりました。
一般に河川の流れの研究では流れのみを考えることが大半ですが、改めてじっくり河川の水面を見ると、流れと波の共存場と考えた方が自然なんですよね。常識が必ずしも正しいとは限らず、常識に翻弄されることなく、改めてそのものを自分の目で確認することを怠らないようにしたいと思います。
日本三大疏水の一つの那須疏水。今でも当時の水路はひっそりですが、しっかり残っています。
近年のセンシングの手法の特徴は、ハードとソフトが一体となって機能するものです。今年の出水期に向け、小千谷の観測機材のファームウェアのアップデートをしました。肉眼でも以前との測定との違いがあるように見え、今後が楽しみです。
2021年から宇宙船を用いた堤防の内部の透視技術の開発を開始し、その観測対象となっていた堤防がこの度開削され、これまでの宇宙線の観測結果との対比をできる状況が整いました。この度の開削現場の見学の機会を与えて頂きました国交省北陸地整の皆様に感謝申し上げます。
新潟大学の自然災害や地域づくりを専門とする研究者の方々と「自然災害と地域づくり」という本を書き、朝倉書店より出版となります。ぜひご覧ください。
本研究室は本日で満15歳となりました。多くの関係の皆様のご支援により今日を迎えられたものと大変に感謝しています。振り返ればあっという間でしたし、発足当時は現在ほどに実測データやそこから意味を見出す数理の研究を実施するとは全く考えていませんでした。また、土木工学以外の研究分野の方々とこれほど多様に関係するとも考えていませんでした。最近数年間の研究を通し、土木工学という学問分野はこれからさまざま未解明問題の完全な解決が期待でき、大変に充実した研究をできる時期を過ごせるものと考えています。
本日より、3月末に博士号を取得した茂木大知君が特任助教として着任しました。「水害の超克」という高い目標を掲げ、この1日も早い実現に向け、新たな研究体制を存分に活かし、これからも精進します。引き続きのご支援をよろしくお願いします。
博士前期課程1年の鈴木朱音さんを代表として申請した新潟県建設技術センターの研究助成が採択となりました‼️
東工大のすずかけ台キャンパスにおいて、学術変革領域で実施してきたミューオンイメージングにおける情報数理の課題とその解決について意見交換しました。この会議では、毎回、密度の高い議論が展開され、勉強になることばかりです。
本日、博士後期課程の茂木大知君、博士前期課程の仮澤広晃君と関翔平君が修了、工学部の大川原大智君、清水啓太君が卒業となりました。おめでとうございます。各人ともに研究室に在籍中に非常に優れた研究業績をあげるとともに、人間性を大きく伸ばしました。これからの益々の活躍を期待しています!
博士後期課程の茂木大知君と、博士前期課程の関翔平君の二人が、新潟大学学長より令和5年度学生表彰を受けました。この表彰は大学全体で7名のみが選出されるものです。また、茂木君と関君は、学生表彰と同時に、新潟大学理事(研究担当)より学生優秀賞論文賞受賞者にも選出されました。おめでとうございます。
2022年8月の記録的な豪雨による洪水により、荒川(新潟県)の河口にあった砂州が流失しました。その後、この砂州はまもなく再生を始め、2022年8月の洪水以前に近い形に発達してきました。当研究室では、このような砂州の消長機構の解明を目指しています。
流体現象は同一地点において同時に定量化された一対の流速と圧力があれば、その物理的な説明を完全にできます。この目的を達成するに、流速と圧力の一対かつ高密度かつ高頻度な測定が必要です。しかし、そのような測定は、コストや労力、技術的な制約により現状では困難です。さらに、流速と圧力のどちらか一方の細密な測定も一般に困難です。この度、流速の細密な測定ができるLDV: Laser Doppler Velocimetryを導入しました。
SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)に参画しており、その対象流域である十勝川の視察と北海道大学での意見交換会に参加しました。北海道大学の皆様、有り難うございました。
博士3年の茂木大知君の博士号の取得、学部4年の清水啓太君の卒業研究発表会の優秀賞受賞を祝う会を催しました。本日で令和5年度の重要な行事に一区切りがつきました。これから1年も精一杯の努力を重ねたいと思います。関係の皆様、ご指導とご支援をよろしくお願いします。
本日、科研費・基盤研究(A)の採択の通知があり、「洪水時の観測ビッグデータに基づく自然由来河道の安定機構の解明と河道設計指標の特定」という研究課題が採択となりました。今回で二度目の基盤研究(A)の採択となり、分野を先導する成果を上げなければならないという重責を感じながらこれから4年間、しっかりと研究を発展させる所存です。
2021年から始まった宇宙線による堤防の透視技術の開発は第二段階を迎えて観測対象の拡大の時期に入り、吉野川の堤防の観測候補地を視察しました。徳島河川国道事務所の皆さま、ご協力を有り難うございました。
博士3年の茂木大知君の博士審査の公聴会を開催しました。これまで3年間の博士課程における研究成果を45分ほどで発表し、その後、副査の村松正吾教授と早坂圭司教授からの質疑に加え、聴講者として参加してくださった国交省の事務所長らからの本質的な質問にしっかりと落ちつた回答が好印象でした。公聴会は英語ではDiffenceと言いますが、自分の研究成果を防衛する応答が大変に立派でした!
卒業研究発表会において工学部4年の大川原大智君と清水啓太君が1年間の研究成果を発表しました。大川原君はマイクロ波を用いた冬季風浪による河口地形の変形、清水君は観測ビッグデータからモデル方程式を抽出する数理的手法について発表しました。どちらの発表も卒業研究の発表としては非常に水準の高いものでした。
修士2年の仮澤広晃君と関翔平君が修士論文の発表会で発表しました。どちらのプレゼンテーションもこれまでの研究室内での議論本質を絶妙に組み込んだ優れたものでした。二人の発表を聞き、卒業研究を含めて3年間の一貫した研究活動により、非常に大きくかつ総合的に成長したことを実感しました。
電気・電子および情報数理を専門とする著名な研究者と相次いでお話をする機会があり、土木工学は工学の中で珍しくこれからが本番の時代となるだろうとお話をしました。この話が何を意味しているのかというと、例えば、電気・電子の分野は、電気、電子の順番で発展を遂げ、現在ではついに電子の物理的な制約に到達していることに対し、土木工学は、この時代となり初めて、土木工学対象とする巨大なものの一体的かつ高頻度な測定や内部を表面から見えないもモノの内部の透視を徐々にできるようになり、その測定の結果に基づきその物理機構の理解が一気に深化し、経験工学から脱却できるということです。
2021年より堤防の内部に存在する空洞などを宇宙線ミュオンを用いて検出できるかの試行を重ねてきました。実は、この観測を行った箇所において、堤防の内部の確認をする機会が訪れそうです。
この度の能登沖地震および津波により被災された方に心からお見舞いを申し上げます。
日本海側において一定規模以上の地震に伴い発生した津波は、地震発生から最速で5分程度で沿岸や河口に到達することが知られています。また、一般的に津波は遠方まで勢力を維持したまま伝播する性質があります。
国土交通省の水文水質データベースで公開されている日本海側の国が管理している河川の河口近くの水位計のデータを用い、今回の津波の各地への伝播の特性について整理しました。その結果、新潟県の関川と富山県の神通川には16時30分頃に到達、新潟県の信濃川には16時50分頃に到達、石川県の手取川と梯川には17時20分ころ到達していたことが推定されました。これらのことから、震源から各地に向けて時速200kmほどの速度で伝播したことが分かります。また、関川では津波の遡上に伴って河川の水位が1時間ほどの短時間のうちに1m程度も増減し、危険な状態であったことが分かりました。
津波の影響は河川によっては12時間以上も継続していたことも分かりました。今回の地震の発生は16時10分頃と言われ、津波の遡上に伴う危険な状態が続く中で地震発生後にすぐに日没を迎えました。また、日本海側では冬季にしばしば低気圧による高波と風雪が生じ、今回は比較的良い天候における地震と津波の発生だったことになります。つまり、今回の地震と津波とを通し、夜間かつ冬季における津波の発生時に避難とその時の津波の監視が課題として浮き彫りになったと言えるでしょう。
2023年もまた思いもよらない新たな出会いや、思いもよらない奇跡的な協力を各所から得て、1年前の想像を超える成果を得ることができました。献身的な協力を頂いた皆様に感謝を申し上げます。
2023年は、特に、2016年後半から開始した異分野融合による研究が成熟期を迎え、模型実験および実河川の各々で時間と空間のどちらも高い密度での測定法の開発、それらの測定結果に基づく河床波の発生の起源の解明など、目覚ましい成果を得ることができました。河川の幾何学的な形状を規定している河床形状の自発的な発生機序を解明できたことは特に印象深いです。一方で、データ科学の観点からみると、これらの独自の測定法から得られた高次元のデータの価値をほとんど引き出せていないことが浮き彫りとなってました。
これまでの成果を基盤とし、2024年も昨年度までに引き続き、ありモノのつぎはぎではなく、問題解決に真に必要なことを見定め、根源的な転換や必要なコトやモノの創造、その社会実装までに全力で取り組みます。引き続きのご支援をよろしくお願いします。
昨年の年始に続き、今年もまたPhysics of FluidsのEditorの方からNew Year Cardを頂きました。このカードの表紙は、2023年に同誌で発表となった電磁流体の解析結果だそうです。せっかくなので、このカードの表紙に採用されるような価値が高く美しい成果を目指し続けます。
News 2023
日頃からご支援を下さる皆様のおかげで1月から12月までずっと充実した気持ちで過ごすことができました。有り難うございました。
以前から自身で手を動かして描いてみたかった図の一つが、我が国の全土における河川の流れを示す絵です。簡単な話に見えますが、絵にしてみると、国土全体を隙間なく大小の河川が覆っていることが分かり、これをコンピュータを用いて1枚の絵にしようとすると、コンピュータにとっては負荷の高い処理となります。下の絵は、国が直轄する河川を太線で描き、県や市町村など自治体などが管理する中小河川を河川ごとにの色で細線で描いたものです。この図からすぐに北海道から九州のどの地方においても大小の河川が満遍なく存在することが分かります。このことは、国土全体にふんだんに水が存在し、その結果、さまざまな生物にとって恵まれた環境であることを意味します。
韓国とアメリカのお土産を頂きました。旅先で思い出し、荷物が多い中でもお土産を持ち帰って頂き、本当に有り難うございます。
一夜にして新潟市でも50cmほどの積雪となりました・・・。
宇宙線を用いた堤防内部の透視技術の第二ステージの開始に向け、庄内川と揖保川の観測候補地を視察しました。中部地方整備局および近畿地方整備局の皆様のご協力に感謝申し上げます。
揖保川の視察にあたっては姫路に投宿しました。姫路駅を降りるとその正面には姫路城がそびえ、高い技術力とそれを400年以上も継承する日本という国の素晴らしさを目の当たりにしました。世界遺産に登録されて本年で30年の節目を迎えたことを記念し、ライトアップされた夜の幻想的な姫路城を見ることができたことは幸運でした。この城が築造された時代は、電気も電子もない時代ですが、木材と石材のみであれだけ大規模な建築物を高精度に組み上げた当時の技術には素直に感動しました。昨今、イノベーションというと、とかくハイテクに関心が集まりがちですが、ハイテクとローテクのどちらが優れているかではなく、姫路城は目的にぴったりと適合した手段を選択することこそがイノベーションの起点となることを教える好例でしょう。
信号処理を専門とする東京農工大学の田中聡久先生のご好意により同校において特別講義の機会をいただきました。熱心に聴講していただいた大学院生の皆様に感謝申し上げます。また、講義の合間に、田中先生より、東京農工大学における研究者の計画的な育成の制度、大学内起業、我が国の信号処理の研究の活性化のための活動の方法など示唆に富む話を聞くことができたことも大きな収穫でした。
2020年春より、各所の協力を得て、電波を用いた河川の観測法の開発を開始し、これまでの研究により、洪水時の河川を電波をどのように用いると何がどれほど測定できるかの見通しが立ってきました。この度は計測機器を製造する企業様を訪問し、これまで成果と今後の協力体制についての意見交換をしました。真のイノベーションとは、既存の原理や技術の延長線上にはなく、目的や要件に適った技術や原理の適用できたときに不連続に起きるものと言えるでしょう。河川の観測法の真のイノベーションとそれに基づく洪水時の河川の挙動の解明に向けた研究をさらに加速させたいと思います。この度の訪問に対して手厚い準備をしてくださった企業の皆様に感謝申し上げます。
大阪大学で開催された水工学講演会において3件の研究発表を行いました。どの研究成果も独自の問題設定もしくは独自の研究方法を特徴とする研究内容でしたが、期待以上の反響や質問を得ることができ、今後の方向性を確認できました。また、11日夕刻にはフェイズドアレーレーダの第一人者である大阪大学の牛尾知雄先生よる特別公演があり、研究とは、心配に対する恐怖に負けず、また、常にTop Scienceを目指すべしという締め括りに大変感銘を受けました。
宇宙線ミューオンを用いたマルチスケールイメージングの確立を目的とした 科研費・学術変革Bの領域会議を胎内市において合宿形式で開催しました。この研究領域に関係する研究者とその研究室に属する20人以上が一同に会し、予定のアジェンダを大幅に上回る熱心な研究発表とそれに対する討議を行いました。この領域会議に参加するたびに刺激を得ています。
連休の合間の開催となりましたが、今年も朱鷺メッセにおいて、土木科学シンポジウムを開催しました。今年の本会の特色は、例年に増して土木以外の研究分野の方の参加と発表を充実させたことです。今後、建設関連業においては、人材確保の人の数の確保に加え、従来の土木工学の学問体系では解決ができない、流域治水のための計画策定で必要となる諸技術や以前から懸案となっている各種構造物の維持管理で必要な技術開発のための高度人材の必要性がますます高まることが予想されます。これらの人材の質の問題の解決を本会では目指すことして閉会としました。ご参集の皆様、開催にあたりご協力をいただいた皆様に感謝申し上げます。
長岡市で開催された 土木学会新潟会において合計で12件の研究発表を行いました。本年4月に本研究室に配属となった工学部4年生にとっては初めての対外発表でしたが、発表と質疑応答のどちらも大変に立派でした。
2023年3月までに信濃川の10kmほどの区間を一体かつ同時に実測する観測網の建設しました。2023年は目立った豪雨がなく、有効に機能する場面はありませんでしたが、2024年の春の融雪期や夏季の洪水に向け、この観測網の動作確認を行いました。
2022年8月3日から4日にかけて荒川流域では記録的な豪雨がありました。特に旧坂町の中心部では深刻な浸水被害が発生しました。また、荒川本川では河口部の砂州が消失しました。本研究室では、昨年12月より、この河口砂州の再生過程の実測を開始しました。現在までに、冬季の季節的な風浪によりどのように河口砂州が再生するかが徐々に判明してきました。
建設関連業界の三大紙の一つの建設通信新聞に「土木人材の未来」という記事が今日から3日続けて掲載されました。建設通信新聞社のご厚意で誌面に掲載された記事を提供いただきました。ぜひご覧ください。
9月に広島で開催された土木学会全国大会の優秀発表者に送られる優秀発表者賞を博士前期課程1年の住谷翼君が受賞しました。
今回の住谷君の研究は、河床波の発生条件をPeclet数という物理量を用いた検討するもので、住谷君のプレゼン力と研究内容の両面が評価されて受賞に至りました。おめでとうございます‼️
2020年春から電波を用いた実河川の観測を開始し、洪水時の河川の物理量を昼夜を問わずに定量化できることを明らかにしてきました。これまでの成果を踏まえ、国交省が管理するを信濃川を一体に観測する観測網の建設が可能かどうかを判断するための現地踏査を始めました。信濃川は国内屈指の大河川かつ中流区間は河岸段丘を流れるために標高差が大きく、機材の設置が容易ではない区間があることが分かってきました。解消すべき課題は多くありますが、この観測網が実現すると、信濃川のような規模が大きな河川の洪水時の河道の変形や洪水の滞留などを初めて実測することができ、河川工学への大きな貢献が見込めます。
博士課程前期2年の関君の先日のDC1の採択とPhysics of Fluidsの掲載を祝う会を開催しました。関君の益々の活躍を期待しています。
流体現象を把握する方法として、測定器具を用いた実測もしくは数値シミュレーションが用いられます。測定したり計算したりした流速の値から流れの状態を把握する一つとして流線を用いることがあります。流線をわかりやすく示す方法の一つとして線積分畳み込み法というものがあるそうで、さっそく試してみました。もはや絵画のような美しい結果が得られました。
修士2年の関翔平君を第一著者としたNovel hypothesis on the occurrence of sandbars (doi:10.1063/5.0171731)がPhysics of Fluidsに登載されることが決定しました。この論文の流体力学への貢献は、河川の普遍的な物理である河床波や蛇行の発生の起源が水面における自励的に発生する定在波であることを細密な模型実験により特定したことです。河川における河床波や蛇行の発生の起源は、1960年代以降、砂礫で構成される河床や河道における生来的な不安性と考えられてきました。今回の成果は常識とは着眼を逆転することにより得たものです。河川における河床波や蛇行は、多様な流れを生み出し、豊かな生態系の生息場となるものですが、一方で、洪水時には河道の損壊を助長するものでもあります。今回の成果は、洪水が流下しても壊れにくい河道の設計の指針を得る上での非常に重要な知見です。
Physics of Fluidsとは流体力学分野のトップジャーナルです。
大学の大学院生は、毎年9月末にいわゆる学振(日本学術振興会特別研究員)の発表があり、ソワソワです。当研究室の修士2年の関翔平君が見事に学振DC1に採用となりました!土木工学の水工学関係の採用数は全国で3件程度という狭き門を無事に通過しした。今後の益々の成長を楽しみにしています!
工学部4年の大川原君は「冬季波浪による荒川河口砂州の再生過程」、清水君は「開水路流れの支配方程式の観測ビッグデータからの抽出」という題目で卒業研究の中間発表を行いました。研究発表の良否は、質疑応答にすべてが集約されると言えますが、2人とも立派な質疑応答でした。2月の発表会が楽しみにです。
新潟は、全国や世界に誇るいろいろな一番がありますが、その一つが海岸線での日の入りです。例えば、切り絵画家の藤城清治さんは新潟の日の入りに魅せられて大作を制作しています。この時期は1年間の中でも美しい日の入りをしばしば見ることができます。
市民大学というところで話す機会をいただき、今年の新潟市の夏がどれほど暑かったかを調べてみました。
細線が1882年から2022年までデータをジェットカラーで着色、青と赤の太線が2023年のデータです。上段がその日ごとの最高気温、下段がその日ごとの最低気温です。過去に今年くらいの夏がなかったかといえば、そうともいえないことがわかります。もう少し詳しくこの図を見ると、最低気温は年々上昇傾向にあることがなんとなく見えます。一方で、最高気温は年によって大きく変化していることがわかります。また、降水量が少ないことも今年の夏の特徴でした。同じように140年ほどを振り返ってみると、まず久しぶりの渇水状態だったことがわかります。また、このデータの期間内全体で見ると、同じくらい雨が少なかった年は10回以上はありそうです。どうしてもその年の現象だけから考えがちですが、人はわずか100年程度のデータしか持っていませんが、せめてそのデータの中である年の気象がどう位置づけられるか俯瞰的に思考することが不可欠でしょう。現在の気候の状態は、病気に例えて急性なのか慢性なのかと言うと、慢性のものと言え、じっくりと腰を据えた対処が必要と言えそうです。
科研費・学術変革領域Bのメンバが物理学会内に企画したシンポジウムで登壇する機会を頂きました。まず、学術変革領域Bで実施している研究内容に物理学会の人たちが高い関心が示してくれていることが実感できたことが良かったです。また、発表内容に対し、いくつかの本質的な質問やコメントを頂けたことも良かったです。他の研究グループが企画したシンポジウムを聴講しました。物理学としては当然ですが、断片的な観測事実から、巧妙に仮説を立て、それを数理的に説明する鮮やかな論理構成に感心し続けでした。どの講演も素晴らしく、日本の底力を感じました。
毎年恒例の土木学会の全国大会に参加し、大学院の1年生以上のメンバがこの1年間の成果を合計で10件発表しました!
今年の春から次世代機材の導入の準備を始め、初めて実地での試験観測を行いました。その観測結果は、紙面上での機材の仕様以上に良好でした。河川の物理の大きな謎は、直線の河道はこれを維持できず、やがて蛇行を始めることです。この新型機材は、実河川における蛇行の発生の起源の特定への大きな貢献が期待できそうです。
村上市の山中の山熊田というところへマタギ文化の見学の目的で行く機会に恵まれました。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、人生観を一転させる経験となりました。山熊田の集落でも日常生活は流石に現代文明を活用しているものの、マタギの仕事は自然を知り尽くしていなければ成立せず、今でも集落の人たちは、ある日突然現代文明がゼロとなっても生きる力を備えているように感じました。集落の人たちからお話を伺い、様々なことに気づく力、察知する力、危険な自然と対峙するために仲間を思いやる心を色々な場面で感じました。これと比べていったい自分には何をする力があるのだろうかという根源的な問いを考えながら山熊田を後にしました。
産官学の融合体により建設関連業における高度人材の育成を目的とした「水ラボ」の活動は今年で3年目となりました。毎年現地見学などのイベントを開催しており、今年度は、国土交通省本省、国土技術政策技術研究所、衆議院議員との意見交換のために上京しました。
いずれに意見交換においても、今後の建設関連業界をリードする高度人材の育成の遅れとその人材が活躍できる実務機関の整備の遅れ、革新的な技術の研究開発の停滞などが共通の課題として浮き彫りとなりました。社会において建設関連業が担当するインフラ整備と維持管理は、すべての社会活動に直結するものです。水ラボのますますの活動が必要となることを再認識し、帰路につきました。
40人近くが上京する大掛かりのイベントの事務局を引き受けてくださった小野組の皆様に感謝申し上げます。
部屋のあちらこちらに蟻塚状態になっている本を書棚に戻した。その途中で何度も手が止まった。もっとも片付け作業を長く中断させたのは「流体力学・今井功」だった。何度読んでも、唸らされる箇所がある。どうせ読むなら流行りの本より、名著を何度も読んだ方が良い。
珍しく誰もいない研究室。あっという間に春学期が終了。後半戦も狙いの絞り込みを常に心がけてしっかりと成果を上げていこう。
当たり前だが、夏になると「今年」は暑いとあちらこちらで聞く。気候変動が話題とされる時に、最近が「暑く」なった根拠の一つとして示されるのは過去の気温の観測記録である。ここで用いられるのは「平均気温」である。一日の気温は最低と最高の気温も記録されており、気象庁が公開しているそれらのデータをそれぞれ図化してみた(気象庁が都市化の影響が少ないという石巻、銚子、飯田、浜田、彦根、伏木、多度津、宮崎)。この図を見ると、暑くなっているというよりは寒く無くなっているというのが正しい認識ではないだろう。今、「暑い」と感じているのは、誰かが暑いと言ったことに心理的な影響を受けてそう感じているだけかもしれない。皆で今年の夏は「例年並み」の暑さと口にすれば、体感する暑さは和らぐかもしれない。
先送りにしていた分離型キーボードのメンテナンスをした。分離型キーボードを常用するようになったのはちょうど1年前からである。振り返ってみると、この1年は作文仕事が多かった。もしいまだに板チョコのような普及している一体型キーボードを使っていたら負傷していたかもしれない。今のところ、分離型キーボードは、パーツを集めて自作する形式で、大手のメーカーによる量産品はほとんどない。分離式キーボードを使うようになり、ほとんどすべての消費という行為は誰かが作ったものの中から選んでいるだけであることに気づいた。モノによっては、もっと使用者の要望が容易に反映できる仕組みや、そもそも色々なモノの自作文化がもっと広がってもいいと思う。
新潟の日没は世界でも有数の美しさという。ちょうどマジックアワーの時間帯に海岸線を走っていたので、海岸線沿いの駐車場に入って、一枚パチリ。カメラロールには同じような写真も何枚ある。だけど、やっぱりマジックアワーに遭遇すると、それは美しく、記憶だけでなく、写真としても記録してたくなる。
信濃川で実施中の堤防の宇宙線観測のメンテナンス作業をした。この日の空は、写真で見ると青空と立体的な雲が綺麗だった。しかし、作業は、炎天下のもとで、とても過酷だった。2021年秋から始まった観測は一区切りを迎えた。その成果をICRC International Cosmic Ray Conferenceに発表した。ついに論文の形でも世に出る。また、今年の秋以降はこれまでの観測で得た知見を反映した新たな観測を開始する。
2011年の新潟・福島豪雨がきっかけとなり、研究手法に数理解析だけでなく実測も追加することが不可欠だと考えるようになった。その手始めに、実験水路の製作、測定手法の開発を始めた。その本格的な始動はちょうど10年前になる。時間が流れるのは早い。この取り組みは奇跡的というほど発展し、この数年で模型実験と実河川のそれぞれにおける空間的に細密かつ時間的に高頻度の測定法を確立しつつある。当時、こんな測定法を手にするとは全く考えていなかった。
夏の森林の緑が美し過ぎた。
技術革新のスピードが凄まじい。ますますコンピュータによる集中処理が加速している。わずか数年前にはほとんどこんなんだった商用カメラさえコンピュータから完全制御が可能となった。
「君たちはどう生きるか」と同名のアニメーション映画が公開となった。これをきっかけとして原作を読んだ。模範的な日本人の姿がぎっしりと詰まっている。この本を読むと、これが書かれた80年以上前は、高潔な模範が社会全体でしっかりと共有されていたことが想像できる。令和の今をコペル君の気持ちで気高く生きよう。
2020年4月から信濃川において洪水中の水理と河道形状を細密に測定する手法の研究を始め、当初の構想通りの結果が得られることがはっきりしてきた。この成果を踏まえ、次の段階にステップする構想を河川事務所と練り始めた。まだ机上の空論だが、理屈の上では「水害の克服」ができるはずである。
新潟日報に最近の研究成果と今後の展望について記事にしていただいた。実は春から少しずつ担当の記者さんと話を始めて完成した記事である。7月17日朝刊の「深掘り・深読み」よろしければご覧ください。
早出川で始まった、河川が洪水を繰り返し経験して自然に出来上がる河道の形状を利用した河川改修を新潟県庁と共同研究し、その成果が能生川と魚野川に実装されている。どちらの河川も模型実験で得られた結果の通り、コンクリートのブロックは一切用いていないにもかかわらず非常に安定した状態が継続している。
勝手に志を共有できていると思っている方が本務地の東京に戻ることになり送別会をした。志は、これまでの経歴や専門分野とは全く関係がない。正しいと信じる道を躊躇なく進もう。
にいがた市民大学でお話しする機会を頂いた。参加者の皆様は自然災害に対して人一倍の関心をお持ちなので、実はお話しする内容選びは悩ましいのです。
梅雨期の堤防の内部状態を探ることを目的とした宇宙線観測の準備を行った。その後、夕食を食べながら信濃川沿いの気持ちの良い夜風にあたりながらこれから1年間の研究計画を議論した。
阿賀野川の支川の早出川において、2016年夏より、自然河川の平面形状が緩やかな曲線形状を描くことに着想を得た流路の制御工法の実証実験を続けています。この実験は開始から7年目を迎えますが、この実験以前に卓越していた交互砂州の発生を現在でも抑制し、流れを断面中央に誘導する河道形状が現在も維持されています。写真の中央を注視すると、河道の厨二院に向かうV字型の流れを確認できます。もう一枚の写真は、大河津資料館に展示されていた鮒などです。生物への配慮も常に意識していたいものです。
ようやく2022年度に得られた研究成果の論文投稿と、それに基づく次年度の研究費の申請手続きが一段落し、久しぶりに研究室全体で懇親の機会を持つことができました。1年あっという間です。有限の時間の中において、常に、今何に注力すべきで、惜しくても何を手放すべきかを考え、少しでも前進できるように努めたいと思います。
異分野融合の体制で実施した研究成果をREALIZATION OF DIGRAPH FILTERS VIA AUGMENTED GFTという論文にまとめてIEEE ICIPという国際会議に投稿していましたが、本日採択の連絡がありました。IEEE ICIPとは採択率が4割程度のIEEEの画像・映像信号処理の最も大きい国際会議の一つです。
3月から準備を始めたある仕事が本日〆切をを迎えました。この仕事は、異分野融合の共同研究者の方々と進めてきたもので、彼らは熱意と能力のどちらにも優れ、オンライン会議などでは全く気を抜けません。この数ヶ月議論を重ね、この仕事に着手した時には全く想像していなかったような地点に到達することができました。やはりどこにも近道などはなく、壁を越える方法は諦めず粘り強く取り組む以外にないようです。
「北陸の視座」という機関紙に談話を掲載していただきました。主に土木工学の研究力の回復の必要性についてお話ししました。その理由は、建設関連業においては担い手確保が重要課題の一つですが、研究力・技術力の強化も同等の重要な問題だからです。この10年以内に研究力や技術力の強化に関心が向けられなければ、大学もかなり体力が低下してきたいるため、おそらく土木工学の研究をする人とできる人は絶滅する未来が現実になってしまうと思います。
昨今の社会的な制約により3年ぶりに同業の大先輩と会食する機会に恵まれました。本業の話題から共通の趣味の話題まで幅広い会話が続き、気づけば終電を逃していました。この大先輩のお話は、会話の一つ一つにちょっと普通では思いつかないような独自の視点が織り込まれていて、本当に学ぶことが多いのです。今後ともご指導よろしくお願いします。
2022年8月に記録的な洪水となった荒川の被災箇所を巡る機会に恵まれました。この洪水により荒川が氾濫することはありませんでしたが、荒川の各所が大きく変形し、治水の根幹は河道であることを改めて実感する機会となりました。羽越河川国道事務所の皆様、この度は大変有り難うございました。
2021年から始まった、MSMIという、宇宙線ミュオンを用いた基礎研究と社会実装の研究は順調に進み、このたびKEK・高エネルギー研究所が主催する記者サロンというイベントで、土木工学が宇宙線ミュオンに期待することについて説明する機会を頂きました。
旅の道中で思いつきで脇道に入ってみたところ、映画のセットやジオラマのようななんとも美しい美しい景色に遭遇しました。この河川は過去に被害があったようで、完全な自然状態ではありませんが、風景としては自然のものとして受け止められるものだと思います。自然と人の共生の理想とはどんなものだろうと考え込んでしまいました。人の河川や流域の理解にはまだ深化の余地があり、この深化が一定を超えた時にパラダイムシフトを起こせるのでしょう。
佐渡における自然再生と地域を持続させる様々な取り組みの現場で奮闘する当事者の方々からお話を聞く機会に恵まれました。同じ事業に取り組んでいても、地域によって考え方や、得られている成果が対照的である点が大変に興味深かったです。特に、半農半漁で棚田の保全に取り組まれている方々の積極的な姿勢には心を打たれました。あいにく滞在中は天候に恵まれせんでしたが、この時期の佐渡はどこへ行っても新緑が眩しく、全く天候のことは気になりませんでした。佐渡は我が国の10年後をすでに見せてくれているように思い、感慨深い気持ちで新潟に戻りました。
ものすごいスピードでどんどん「目」が進化しています。
関西からのお客様を迎え、電磁気学を用いた地球物理の様々な測定法についての幅広い意見交換を行いました。議論が深まっていくと、お互いが日常的に研究対象としている物質やスケールは全く異なるものの、両者の間にいくつもの共通項が存在することが分かりました。このような共通項は、普遍的な価値が高く、大きく展開する可能性が大きいものが多いです。自然現象における共通性を論じる論文をそろそろ書く時期を迎えているのかもしれないです。
2020年4月から開始した信濃川においてマイクロ波を用いた河川の物理の観測を開始し、その概念実証の見通しが立ち、2022年秋より、観測機材の増設により10kmほどの信濃川を同時に観測する観測網を建設していました。この度、これらの機材を接続する回線が開通し、オンラインによる制御が可能となりました。人にとってこの観測網は、洪水中の河川の挙動を昼夜を問わずに観察できる初めての「目」と言えるものです。同観測網の建設に積極的に協力してくださった関係者の皆さまに心から感謝を申し上げます。
2021年秋から始まったミュオンによる堤防透視の研究ですが、関係する方々から想定する以上に強力して頂き、そのお陰で奇跡的と言っていいほどに順調に進んでいます。本日、冬季中の観測を終え、原子核乾板の交換作業を行いました。また、これまでの成果を論文発表する準備も開始し、その一環として地上据え置き型の三次元スキャナにより堤体と樋管内部の測定しました。また、今後の研究構想と、測定能力の強化方法についての意見交換を行いました。
本研究室が開設されて今日で満14年となりました。当然ながら開設当時には二つの異分野融合研究の実施は全く想像していませんでした。今後も常識から見れば無理だと思われるような理想の目標を掲げ、達成までの過程において困難や逆境に遭遇してもそれを何とか切り拓く努めを続けたいと思います。これからも変わらぬご支援とご指導をよろしくお願いします。
新潟大学内にビッグデータアクティベーション研究センターが開設され、丸5年が経過し、それを記念するシンポジウムが開催されました。村松教授と早坂教授と始めたARCEプロジェクトを紹介する機会を頂きました。会場には全く想像もしていなかった多種多様な方々が参加しており、その方々と有意義な議論ができたほか、新たな出会いがありました。実は、本センターの開設時にはロゴマークの募集があり、こちらで提案したものが採用となり、現在まで使用されています。また、同時に、様々な分野における表層上は価値が気付かれていないデータから価値を引き出す研究をするセンターであることを示す名称も提案しました。今、時代はデータが物事を主導する変節点に差し掛かり、これを追い風とした河川の理解の深化と、過去に例のない制御法の研究を続けたいと思います。
人として生きていて最も幸福感や充実感を感じる瞬間は、誰かから頼りにされた時だと思います。20代でこれができる人は多くありませんが、この方向性を目指していればそう遠くないうちにできるようになっていると思います。もう一点は、年齢相応以上の大人であることをいつも目指すといいと思います。大人の目安にはいろいろな言い方があると思いますが、一つは、大人は自分以外のことも自分のことと同じくらいの想像を巡らせることができ、その上でたとえ自分一人でも言動や行動ができることだと思います。誰かから聞いた話をそのまま鵜呑みにせず、自分の頭で真偽の判断をその都度できる大人を目指してください。近い将来、一緒に仕事ができる日が来ることを楽しみにしています。本日はおめでとうございます。
普段の業務では接触がほとんどない業界の方々と談話をする機会を頂きました。各人の日常の仕事内容は全く異りますが、談話を重ねるにつれて各人の根底の志とその高さは同様であることが分かり、大いに盛り上がりました。高い志は自然と集い、その集いからそれぞれの持ち場での難局への挑戦の勇気が生まれるように感じ、再開を誓いました。
2021年春より、かつてない規模での博士学生の支援プログラムが国策として始まっています。この背景は平成年間における日本の科学技術の国際的な地位の相対的な低下があります。本プログラムの目的は、日本の科学技術を回復させることです。本日、このプログラムの成果報告や今後の方向性を議論するシンポジウムが開催され、当研究室の博士課程2年の茂木大知君がパネラーに選出され、1) 博士課程に進学した理由、2) 博士研究を発展させるために必要な能力、3) 博士学生の支援にどのような改善が必要かのそれぞれについて発言しました。このうち、2)について『情緒』と回答し、会場を唸らせた場面は大変に印象的でした。
他国の博士号の取得者数を増加傾向であることに対し、日本は世界で有数の経済大国と言われるものの、博士号の取得者数を減少傾向です。研究は特別な営為ではなく、博士取得者は特別な存在ではないことがまず日本全体広く理解され、さまざまな分野の研究が当たり前に活発に展開される風潮のきっかけ作りに貢献したいところです。
2022年度は二人の修士と一人の学部生が研究室を旅立ち、その代わりに新たに二人の学部生が加わります。昨日は、これらの学生たちの毎年恒例の送別会と歓迎会を行いました。研究活動といろいろな行事で学んだことを活かし、場面に応じてくっきりと相手の様子を想像して、人ならではの気遣いができる大人になって欲しいと思います。社会に出る3人の社会での活躍を楽しみにしています! また、新たに研究室に加わる二人の新四年生の成長もまた楽しみです。
中央大学の山田正機構教授を招き、未知の河川の物理について、流体力学的な観点と、データ科学の観点の両面から真剣な議論をしました。日本は自然科学のさまざまな分野において重要な研究成果を生み出しており、その一つとして、自然現象の本質であるカオス現象を記述できる方程式として、上田の式と蔵本-Sivashinsky方程式は非常に有名です。実は、山田教授は、40年以上にKS方程式よりもさらに自然現象を普遍的に記述できる方程式を独自に導出しています。山田の式は、自然界の「モノの形の始まり」を普遍的に説明できる可能性があり、未知の河川の物理の解明において重要な役割が期待できます。また、議論の各所において、複雑に入り組んだ自然現象の数理的な考察や記述の方法を学ぶことができたことも大きな収穫でした。
加湿のためにストーブの上にミルクパンを載せていましたが、いつの間にかに干上がってしまいました。その底には、地図上で見るような河川の平面的なカタチとそっくりのものが自発的に形成されていました。ミルクパンの底における自発的的に形成されるカタチと、河川において自発的的に形成される流路の平面形は、共通の力学的機構で結ばれている可能性が予見されます。このような物性とスケールが異なる物理における共通性こそがプリゴジン、ローレンツ、蔵本由紀、ストロガッツらが発展させてきた非線形科学の本質だと思います。せめて河川におけるさまざまな形状の発生や発達の機構の解明は自分たちの手でしたいものです。
日本の河川業界で最も信頼されかつ最も真剣に日本の河川について30年以上に渡り考え続けてきた方へ最近の研究成果を説明する機会に恵まれました。説明した研究成果のどれについても非常に好意的に理解して頂き、控えめに言って感無量の気持ちとなりました。夜と霧を著したフランクルは、偉大なる目的こそが生き残る唯一の道標、と言っていたと思います。これからも前人未踏で困難な道であっても、それが王道ならばその道を迷わずに逞しく歩み続けたいと思います。
ちょうど1年くらい前に、日本の土木工学の研究力を世界に発表された論文数から把握する試みを行い、2018年から2020年の3年間に発表された論文数の世界ランキンが14位であることが判明し、大変に愕然としました。最近、この世界ランキングが一時的なものなのかどうかを比較的手軽に把握する手法に気づき、1980年から2020年まで40年間のランキングを整理してみました。その結果、2000年頃までそのほかの自然科学の分野と遜色のない順位を維持していたことが分かりました。しかし、最近の20年ほどは12位前後の順位を維持し続けていることが分かりました。このデータの整理により、毎年確実に研究力を向上させている国は、世界に16カ国ほどしかなく、日本の土木の12位という順位は非常に芳しくないものであることも分かりました。一方で、これらのデータの統計に過程において、10年ほどの期間を経て毎年一定数の論文の発表を可能としたいくつかの国々が存在することも知りました。このことは、日本の土木業界の全体がこれから10年かけて研究力を回復させるぞと一致団結できれば、以前の研究水準を回復させられる可能性は十分にあると思います。また、どの国もどの分野も最近のデータ科学という手段の初心者なので、ある意味で公平なスタートラインに立っていると言えるます。がんばろう日本土木。
マルチスケールミュオンイメージングMSMIの研究プロジェクトは、着実に成果をあげて、次のステップに向かっています。今日は来年度の研究構想について話し合うオンライン会議がありました。この会議はいつものことながら素晴らしく内容の充実した会議だったのですが、次の研究構想を考えるにあたり「強い力と弱い力」についての話題提供がありました。重力と電気引力のどちらがどれくらい大きいかは、流体力学の範囲ではわざわざ考える場面はなく、非常に勉強になりした。学部の講義は、人間は地球上のさまざまな物事をだいぶわかっているような誤解を与えるような話し方をしがちですが、意識的に人間はごく限定的な知識しか持っていないと話した方がより意義のある教育となるのでしょう。
この数年で、ビッグデータと人工知能の組み合わせが非常に強力ということが世界中に浸透しました。ARCEでは、STにより測定された水面の観測ビッグデータの信号処理により、底面の形状を推定できることを2019年にIEEE ICASSPで初めて発表しました。移動床の水理学に世界で初めてデータ駆動の手法を適用した研究です。この度、その後継の研究が2023年のIEEE ICASSPで採択となりました。ICASSPはIEEEの信号処理ソサエティのトップカンファレンスで、元来から採択が非常に難しいです。その上、近年の人工知能関係の研究が非常に活況となっているため、IEEE ICASSPでの採択は非常に難しい状況となっていましたが、無事の難関を乗り越えることができました。
本日、4人の学部4年生の卒業研究の発表会が無事に終わりました。4人全員が1年間をきっちりと走り切り、今日の発表会ではその間に積み上げてきた成果を自分の言葉で丁寧に説明する姿が印象的でした。これで研究室の一年が一巡しました。そうかと思えば、間も無く次の世代の学年の研究室に配属が確定します。ひと時の途切れもなく次の一年が始まります。どんな一年になるのか楽しみです。
土木工学においては、水理学という学問により、河川などの流体の運動を体系的に学びます。最近の模型実験で、この水理学の基本中の基本のとある現象の実在を疑うべきことを示唆する結果を得つつあります。面白くなってきました。
近年の河川研究室の独自性の一つは、観測ビッグデータを活用した研究です。現在、卒論発表会に向けまっしぐらの時期です。そんな中で、コードの書き方をほんの少し誤っただけでMacのメモリを一気に使い切り、Macの動作が固まる現象に遭遇しました。一つのプログラムの動作に26GBってすごい時代になりました。
Web of Scienceを用い、この25年ほどの日本の土木工学の分野から世界に発表された論文数を集計してみました。その結果、2000年前後において、日本の土木工学の分野からは発表される論文数の合計は、世界の6%ほどを占めていましたが、最近では2%まで低下していることが分かりました。昨今、日本全体での研究力の低下が問題視されてますが、土木工学の論文数の下落は大きく、その他の工学や理学の分野と比べ、研究力の低下が著しいと言えそうです。がんばろう、日本土木。
2022年9月の名古屋大学でのMSMIの領域会議に続き、今回は東京大学で領域会議が開催されました。今回の会議では、ミュオンを用いた物性の測定、銀河系外の天文の測定、ミュオンのシリコン検出機、最先端の情報数理のそれぞれのトップランナーの研究者よりお話頂きました。非常に幅広い話題が議論されましたが、登壇者と聴講者の双方の説明力が素晴らく、この研究領域のますます発展を参加者全員が感じる会議となりました。
新潟大学では、毎年、若手データサイエンティストコロキウムを開催しています。本研究室は3件の発表を行いました。このうち、博士課程1年の田所祐輝君が「信濃川中流部を対象とした安定河道の探索」という題目の発表を行い、ポスター大賞を受賞しました❗️おめでとうございます‼️同コロキウムは、4年前から開始した行事で、本研究室は4年連続の受賞となりました。
少し前の記事ですが、土木学会誌の2022年12月号の特集記事は、「土木のイシュ31」でした。河川工学を専門としていれば、昨今の水害への対応が最優先課題との認識となって当然ですが、土木工学全般の観点からも水害への重要な課題と認識されていることにホッとする気持ちとなりました。一方で、この図は、多種多様な課題が顕在化しているにもかかわらず、これらを一向に克服できないこと、また、各所での担い手の確保の各々についての打開策が明確となっていないことが浮き彫りにしたようにも感じました。土木の駆動源は、工学と科学であることを踏まえると、近年の急速な科学技術の発展を追い風とし、技術至上主義への転換が問題解決の方策の一つではないでしょうか。
今日は朝から夕方まで打ち合わせや会議が連続する1日でした。お越しになったお客様から差し入れを頂き、とても嬉しい気持ちとなりました。有り難うございました。
予告はあったのですが、Physics of FluidsのEditorから手書きの年賀状?が本当に届きました。この時代においてアナログ・モノが海を渡って届くとグッとくる。しかし、半分くらいは読めない・・・。
謹賀新年。2022年もまたたくさんの方々の献身的な助力のおかげで、数々の困難を乗り越えることができました。ご協力を頂いた方々に心から感謝を申し上げます。また、2022年は、海外のトップジャーナルと国内の査読付き論文に多くの成果を発表できました。これらの成果は、2023年以降の研究を発展させる基盤となるもので、2023年は、不明な河川の物理の解明と、これに基づく河川の制御法の確立に向けた研究を強力に推進したいと考えています。自然科学の発展の経緯から水工学を俯瞰すると、明らかにモデル駆動解析を偏重し、これが学問分野の発展の妨げの一つになっていると思います。すべてのモデルは仮説から演繹的に構築され、そのためにモデル駆動解析では「部分の総和は全体と一致しない」という問題を克服できません。 近年の本研究室の特色は、自然科学全般においてもまだ実例が少ない実現象の観測ビッグデータの測定法の確立です。2023年は、観測ビッグデータを手段として、これまでのモデル駆動解析の研究成果の実証や、モデル駆動解析とデータ駆動解析を融合した新たな研究手法の考案など、データ駆動を手法とする研究成果の発表にも努め、科学全般にインパクトを与える野心的な研究もしたいと考えています。2023年も引き続きのご支援をよろしくお願いします。
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