基礎水理学
概要とねらい:流体運動は連続体と呼ばれる物理的性質のために捉えどころがなく、一見すると物理的な理解は難しい。本講義では、まず、質点力学の拡張により流体運動の解析ができることを示します。また、土木工学が対象とする河川などの開水路と下水道などの管水路の二つにおける流体現象の共通性について理解できることを目指します。
対象:工学部2年生
開講時期:第2クォーター
講義回数:15回
講義資料:2023年春版(準備中)
水理学及び演習II
概要とねらい:治水の要諦は、与えられた流量に対する水位の把握です。しかし、実河川の形状は平坦床かつ直線水路であることは稀であるため、水位の縦断分布の推定は容易ではありません。本講義では、基礎水理学で修得した水理学の基礎知識を基盤とし、まず開水路流れは力学的に3つに区分できることを学びます。つぎに、これらのうちで最も基本となる等流についてと、実河川の水理の記述に適するとともに実務で頻用される不等流について教授し、河川などの水位の縦断分布を推算できるようになることを目指します。
対象:工学部3年生
開講時期:第4クォーター
講義回数:15回
講義資料:2023年秋版(準備中)
河川工学
概要とねらい:気候変動により河川災害の頻発傾向は強まり、万が一の発災時における我々の生活域への被害規模は拡大傾向にあります。それにもかかわらず依然として国内の人口居住地を貫流する半数程度の河川における洪水防御対策は不十分です。本講義では、まず、日本における治水技術の変遷、近年の河川災害の特徴と今後の課題について論じます。つぎに、効果的な治水対策を計画する上での基礎知識となる河川の水理、それにより形成される様々な河川地形について説明します。さらに、治水のための人工改修がもたらした河川の自然環境の劣化とその復元法や保全法について学びます。
対象:工学部3年生
開講時期:第1クォーター
講義回数:15回
講義資料:2023年春版
社会基盤工学概論
概要とねらい:私たちが暮らしているまちには,橋,道路,港湾・空港,上下水道,公園,河川,鉄道などの社会基盤施設があり,快適で便利な生活が営まれている。これらの施設を環境との調和を考えて,計画,設計,施工,維持管理し,自然災害から人命を守る技術体系を学ぶ学問分野が社会基盤工学である。本講義では,市民生活を支える社会基盤工学の役割について核技術分野を研究する教員がオムニバス方式で解説する。
対象:工学部1年生
開講時期:第3クォーター
講義回数:オムニバス
水災害特論
概要とねらい:
定常と非定常のそれぞれの水理の支配方程式の導出について学び、続いて、これらの方程式の数値解析法について論じます。また、演習課題によって、定常と非定常のそれぞれの支配方程式の数値解析法について実習します。
対象:博士課程前期
開講時期:集中講義
数値水理学特論
数値解析は近似解法であるために誤差が不可避となります。しかし、これらの誤差は理論的に把握が可能であることから、計算方法と対象とする物理の性質のそれぞれを十分に理解していれば、誤差は最小限に抑えることが可能です。本講義では、打切誤差の基本的性質について学び、実習によって打切誤差にはどのような性質があるかを調べます。
対象:博士課程後期
開講時期:集中講義