MSMIは、Multi Scale Muon Imagingの略号です。このMSMIプロジェクトは、素粒子の一つであるミュオンを用い、アトスケールからキロメートルスケールの物体内部を透視する技術の確立を目指すものです。このプロジェクトは、ミューオンイメージングの変革のために、素粒子物理学、土木工学、加速器科学の専門家が集結し、ミューオン検出技術およびミューオン加速技術を高度化するとともに、可視化対象を拡張することで、基礎研究から応用研究、将来の社会実装までを目指すものです。なお、このプロジェクトは、科研費・学術変革領域研究(B)において「素粒子現象から巨大構造物までを透視するマルチスケールミューオンイメージングの創成」という課題で採択となっています。
2022年10月30日、31日 ⭐️ ミュオンによる河川堤防の透視
信濃川の堤防を宇宙線ミュオンを用いて透視する研究が始まり1年が過ぎました。ミュオンを用いた透視では、透視対象における密度差を利用します。これまでの研究により、検出が可能な河川堤防の内部における密度が異なる領域の大きさが分かってきました。この1年ほどに観測したデータをまとめた論文の執筆が間も無く始まります。
信濃川の堤防を宇宙線ミュオンを用いて透視する研究が始まり1年が過ぎました。ミュオンを用いた透視では、透視対象における密度差を利用します。これまでの研究により、検出が可能な河川堤防の内部における密度が異なる領域の大きさが分かってきました。この1年ほどに観測したデータをまとめた論文の執筆が間も無く始まります。
2022年9月3日,4日 ⭐️ 学術変革領域(B)の領域会議
昨年8月に採択となった学術変革領域の初めての領域会議が名古屋大学で開催され、博士に在学及び博士に進学予定の学生たちと参加してきました。この領域では、宇宙線ミュオンを用いてアトスケールからキロスケールまでの物体をイメージングする方法を研究します。参加者のほとんどは理学部物理の所属する研究者ですが、彼らのトークには、新しく知ることと、毎日の研究のヒントとなることがたくさんありました。また、物理学科の会議室の壁には、湯川秀樹氏のおそらく直筆の「知魚楽」の色紙がありました。これは、荘子に載っている話だそうで、湯川博士は、自然に備わった、目に見えないものを感じようとする力、自分と結びつける力、共感の力について伝えたかったようです。
昨年8月に採択となった学術変革領域の初めての領域会議が名古屋大学で開催され、博士に在学及び博士に進学予定の学生たちと参加してきました。この領域では、宇宙線ミュオンを用いてアトスケールからキロスケールまでの物体をイメージングする方法を研究します。参加者のほとんどは理学部物理の所属する研究者ですが、彼らのトークには、新しく知ることと、毎日の研究のヒントとなることがたくさんありました。また、物理学科の会議室の壁には、湯川秀樹氏のおそらく直筆の「知魚楽」の色紙がありました。これは、荘子に載っている話だそうで、湯川博士は、自然に備わった、目に見えないものを感じようとする力、自分と結びつける力、共感の力について伝えたかったようです。